秋の夜長に勝手に石見神楽を解説しようじゃないか。

島根西部の伝統芸能・石見神楽を妄想と主観で解説してます。ビギナー向け。

【大蛇図解】ビッグドラゴン・クエスト∞

アクセス数がバーーッとアップしたと思いきや、別にそうでもなくなった今日この頃。やはり長いものに巻かれながら、媚売りながら、一生懸命書いていきたいと思います。本日もヤケクソ元気よくスタートです。

 

てゆうかね、ビギナー向けと言いつつ、情報量のエグさが止まらないんですけど。誰かマニアックを止めてください。ジェットコースターみたいなテンションでマイナージャンルを語る、私はもう立派なオタクになれそうです

 

お母さん、そんな目で見ないで下さい。

 

 

 

突然ですけどみなさん、『大蛇』の技の名前、気になりませんか?

私は気になって気になって仕方ないです、オタクなので

 

フィギュアスケートでも大技決めたら「トリプルルッツゥゥ!!」とか「イナバウアァァー!!」とか「ご結婚おめでとぉぉぉう!!」*1って叫ぶじゃないですか。海賊も忍者も死神もエクソシストも美食家も魔法少女もみんーな必殺技叫ぶじゃないですか。

 

私だってクリリンのことかーーー!!!」って叫びたい。

 

 

なので、今回は『大蛇』の技をご紹介します。

この記事が気になったそこのあなた、十分オタクですよ

 

 

さて、物語中盤、酒の匂いに誘われて山奥から出てきたオロチたちが舞台を目いっぱい使って演舞するこのシーン。オロチがとぐろを巻いたり、8体全員で組技を披露したりと様々な技を披露します。勇壮華麗かつ大迫力で、まさに「石見神楽の華」とはこのこと。技の一つ一つに伝統の息吹を感じます。

そんな大技であるオロチの演舞ですが、実は社中によって技の呼び方は様々で、決まった名前はないのだとか。

なんでなんですか!?と聞けば、

蛇胴が絡まないようにする方が大事で、いちいち名前なんか覚えてられない

と言われました。蛇の道はやはりHEAVYです。・・・言いたいだけ。

 

そんで頑張って自力で調べてみるも、たった5コしか技名が分かりませんでした。無念です…。気になって気になってしょうがない方、力及ばず申し訳ありません…。

 

が、それでは記事にならないので、私が呼んでいる技名も含めて図解したいと思います。写真は出典書いたりなんか色々めんどくさい大変だったので、自分でイラスト書きました。元・美術部ドヤァ(・∀・)!!

 

ちなみに、これからご紹介する大蛇ネタは、石見観光振興協議会さんの「なつかしの国 石見」浜田市観光協会さんの「石見神楽」でとっても分かりやすく説明されていますので、ぜひぜひご参考になさって下さい!!

リンク貼っておきます。

・きゃわゆいイラストで蛇胴の仕組みが解説されています。大まめ知識です。

石見神楽まめ知識-石見神楽-なつかしの国石見/島根県西部公式観光サイト

・マニアックな質問に全力で答えておられます。大蛇のQ&Aは下の方にあります。

石見神楽Q&A - 石見神楽〈いわみかぐら〉公式サイト

 

 

 

それでは、一応私からも説明していきましょう。

 

まずはオロチの仕組みについての復習から。「蛇頭」と「蛇胴」について。

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「なつかしの国 石見」のきゃわゆい解説によれば、蛇胴はなんと12kgもあるらしい。普通に重いですね、まさに蛇の道はHEA…飽きたとか言わないで下さいよ。

 

次にオロチの基本形、とぐろをピシっと巻いた状態。私は「チョココロネ」と命名。

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ふつうに「とぐろを巻く」と言ったりします。が、浜田市観光協会のサイトによると「甑(こしき)を立てる」とも呼ぶらしい。

「甑」ってなんだよ!見たことないわ、こんな漢字!とググってみると、大型のせいろのことだそうです。せいろは飲茶が入ってる中国発の蒸し器ですね。だからと言って「甑を立てる」のイメージが分かりません。日本語は難しいです。*2

 

お次はこれも基本形の一つ、ゆったりとぐろを巻いた状態

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これも「とぐろを巻く」と呼ぶらしいです。ややこしいわ。「とぐろ(低)でいいかな。浜田市観光協会さんは「ハマをかく」と紹介されてますね。ところでハマって一体なんですか?日本語は難しいです。

そしてこの「ハマをかく」「とぐろ(低)」をそのまま立てると「胴見せ」「縦とぐろ」になります。この様子はこちらの動画がとても分かりやすかったので、貼っときますね。

www.youtube.com

この動画では「回転しながらとぐろを巻いて、その反対方向に回転してとぐろを解く」と説明されていますが、神楽の基本は左に回って、右に戻るなので「とぐろを巻くのは左回り、解くのは右回り」が多いような。巻く方向を統一しないとキレイに見えないので、どの社中さんもそろえておられますよね。

また、「縦とぐろ」を2~4体で組み合わせてグルグルする技もあります。ちなみに私は「新装開店」と呼んでいる。

 

組技は他にも色々あって、オロチの体を交互にねじる「縄」というのが代表的。あとは名前が分かんなかったので、「かごバック」「すべり台」と命名しました。

 

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そして『大蛇』一番の大技「大輪」8匹のオロチ全員がグルグルグルグル回って本当にすごい!!これぞ『大蛇』!!クッ…、私は、これを見るために一年間生きてきたんだ…ッ!!・・・んー、それはちょっと言い過ぎでした。

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この技は「大輪」の他にも「円陣」「大ハマ」「全頭巻き」と呼ぶらしい。私は見たまんま「おふろ」と呼んでいます。夜神楽で4体の場合「家のおふろ」です。お母さんは「大浴場」「露天風呂」と呼んでいました。血のつながりを感じました。

見てるだけでも大変そうなの分かるんですけど、あの中で全力ダッシュしてるっぽいですね。夜神楽は大体4~8畳あるかな?くらいの小さなスペースで舞いますが、ホールや体育館の舞台のときは本当にキツそう。あの中で「うおぉぉおぉおもたいぃぃ!!」とか叫んでるのかな…。「ぅおもたいぃいじゃなかった、HEAVYEEE!!」とか言ってるのかな…。どうなのかな…。「URYEEEEE!!」かな…。

 

こんなもんかな。

 

 

他にも梅の花みたいにかわいいのとか色々あるんですが、イラスト書くの疲れたんで、また気が向いたらまとめようと思います。

 

なお、イラストに対しての苦情は一切受け付けませんので、ご了承ください。

 

 

*1:注:今期覇権アニメのことを言ってるのであって、ゆづしょまのことじゃないんだからねっ!

*2:追記:やっとこさ「甑を立てる」の意味が分かりましたよ泣!!「甑」とは「大型のせいろ」とご紹介しましたが、このせいろ、飲茶を山ほど作るのではなく、和紙の原料となる「楮(こうぞ)」を蒸すものらしいです!!大体、直径1m×高さ1.5mの超ビックサイズです。石見の特産品である石州和紙は、その丈夫さから神楽面だけじゃなくランプシェードにもなっていてオシャンなんですよ~~。石見の伝統工芸品はバカみたいに丈夫だってことをもっと広めた方が良いと思うんだよね。